妊活から二人目の出産と育児

人工授精ってどんなものだろう。

人工授精を誤解していませんか?

人工授精と聞くと、いかにも機械的な、化学的な処置のように感じるかもしれません。

しかしそれは少し誤解があって、人工授精とは実際には性交をサポートするような処置なのです。

つまり普通の方法では受精卵を作るという性交の目的が果たせないから、そこのところを人工的にサポートしようと言うのが人工授精なのです。

それってどんな場合なの?と思われるでしょうか。実は様々なケースがあります。

例えば、男性が性交時に勃起しない、いわゆるEDの場合。または挿入は問題なくできるが、膣内で射精できない。こういった勃起障害や射精障害を持っている方にとって、人工授精は有効です。

さらにこんなケースもあります。普通に性交はできるが、精子に問題があり受精できない。無精子症のこともありますし、精子の運動率が低いということもある。

女性側の問題で言えば、子宮頸管が狭くて精子が通りにくいというような場合が受精の障害となりますので、人工授精が有効です。

普通の性交では受精卵が作れない。だから人工的に授精する。

単純になかなか妊娠しないからという理由で人工授精をするのではなく、人工授精に適したケースというものがあるのです。

 

人工授精の方法、リスク、負担は?

おそらく今まで人工授精とか考えたことなかった、という方は、精子と卵子をそれぞれ採取し、人工的に受精卵をつくり体内に返す術である「体外受精」との区別があまり分からないのではと思います。

人工授精はどんなことをするのかと言うと、男性が精子を採取する必要はありますが、女性からは特に取るものはありません。

採取した精子を遠心分離機にかけて、洗浄した後に子宮内に注入するので、女性の体にしてみれば普通に性交するのと比べても大きな違いはないのです。

術後、多少お腹に痛みがあることはあるようですがそれは器具の引っかかりだったり排卵痛だったりで、ほとんどの場合は心配はいりませんし、副作用の少ない処置だと言われています。

人工授精とは言っても、精子を注入したあと受精するかどうかは未知ですので、自然妊娠にとても近い形で受精をサポートできるのです。よって負担も大きくはありません。

ただし、人工授精を行うときは女性側の排卵を確認することが必須です。病院で排卵日をしっかり特定し、場合によっては排卵誘発剤を使って、妊娠する確率を引き上げます。

身体的には大きな負担ではないかもしれませんが、もしかしたら排卵しなきゃと言う緊張は感じてしまうかもしれませんね。

 

人工授精での妊娠の確率

人工授精での妊娠の確率は、5~10%だと言われており、通常の性交が行えて自然妊娠するケースの半分ほどの確率です。

「え、排卵期を確認して、しっかり精子も確認して注入するのに、自然妊娠より確率が下がるの?」と思われる方もいるでしょう。

自然妊娠の確率というのはあくまで正常に性交を行えて、受精を阻む原因がないか少ない人の場合です。

人工授精を行おうと思うということは、そのご夫婦はなかなか自然妊娠せず、何らかの受精を阻む原因があるということですから、当然、自然に妊娠する場合よりは確率が低くなります。

また、人工授精は回数を経るごとに妊娠の確率が下がると言います。

なぜなら、人工授精では受精を阻む原因が解消されない可能性が回数を重ねるごとに高まるからです。

人工授精で取り除ける障害は、勃起障害や射精障害などの問題、抗精子抗体(精子に対するアレルギー反応)がある場合、精子が頸管粘液を越えられない理由がある場合など。

人工授精ではそれらの障害を突破できますが、それ以外に、例えば精子と卵子が出会っても何故か受精しない、受精はできるんだけど着床がうまくいかない、卵子の質の問題などなど、妊娠できない原因というものは多岐に渡ります。

だからこそ、人工授精で妊娠しないのであれば、人工授精で突破できない障害がある可能性が高くなるのです。

多くの場合6回目くらいまでの処置で妊娠するので、そのあたりを目処に体外受精へと処置を変更するドクターが多いようです。

 

人工授精にかかる費用

人工授精は自費診療になりますので、決してお手軽にできるものではありません。

だからと言って目をむくほどのお値段という訳でもなく、一回あたり20,000円前後が相場のようです。

しかし人工授精で妊娠できる確率は決して高い訳ではありませんから、何度も挑戦する方もいるでしょう。だから人によっては高額になってしまうことも考えられます。

ここで人工授精の妊娠確率を考えて欲しいのですが、多くの場合が6回目までには妊娠すること、回数を重ねるごとに人工授精による妊娠の確率は減少することを踏まえると、10回も20回も人工授精を勧めるようなお医者さんは疑った方が良いかもしれません。

稀にですが希望するままに人工授精を繰り返したり、とにかく何度も人工授精を勧めたりするお医者さんもいるようです。

人工授精にかかるお値段は多くても20,000円×6回分くらいが最大だと思っておきましょう。

決して安くはありませんが、もし人工授精に挑戦するおつもりなのでしたら、それ以上お金をかけるのはもったいないと言わざるを得ません。

お金もそうですが、他の原因と対処法を試さなかった時間も、です。

 

人工授精を検討する前に考えてほしいこと

思ったより妊娠できないなと思うと、人工授精とかってどうなんだろう…と興味を持つ方もいると思います。

人工授精に興味を持ったとき、まず考えて欲しいことは、正常に性交が行えているか。

次に考えることは、しっかりタイミングを測れているか、です。

何かの都合で勃起障害や射精障害があるという場合、人工授精は有効ですので、是非検討することをおすすめします。

タイミングというのは、排卵日とのタイミングです。

特に何も考えず、普通に夫婦生活を営んでいれば普通に妊娠するでしょうと思っていると、意外に妊娠できない、というご夫婦は多いようです。

そもそも人間の妊娠率はそれほど高くありませんから、よく狙いを定めないと思ったより妊娠しないということは珍しくありません。

「いや、セックスは普通にできて、タイミングは計ってるんだけど妊娠しないのです」という場合、確かに何か不妊の原因があるのかもと思われるでしょう。

そんなとき精子に異常がないかとか、卵子に異常がないかとかを調べるのは大事。

しかし、「一年くらい妊娠しなかったというだけでまだそれほど焦っている訳でもないし、不妊なんて大袈裟なものじゃない、人工授精はもしものときの選択肢の一つとして知っておきたい」という方には人工授精という処置の特徴をよく知っておいていただきたいのです。


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